- 外構工事でよくある失敗例20選
- 駐車場が狭くてドアが開かない
- アプローチの階段が急すぎる
- 門柱や表札の位置が不便で配達が困る
- 動線が悪く毎日が不便
- 敷地を有効活用できていないデッドスペース
- 外構のデザインが建物と合っていない
- 植栽が多すぎて手入れが大変
- プライバシーが確保できない
- 雨のたびに水たまりができる
- 排水設備が不十分
- 夜間が暗くて足元が危険
- 思った以上にメンテナンスが大変だった
- タイル・コンクリートなど仕上げの施工不良
- カーポートやテラス屋根が後付けできない
- フェンスが低すぎて防犯・目隠しにならなかった
- ゴミ置き場や自転車置き場がなくて困った
- 子ども・ペットの安全配慮不足
- 見積に含まれない工事が多く追加費用が発生
- 完成イメージと違って後悔
- アフターフォローや保証がなくて困った
- まとめ|早めの計画と相談が成功のカギ
外構工事でよくある失敗例20選
数多くの外構工事を手がけてきた中で、相談の現場で頻繁に耳にするのが「もっと早く知っていれば…」という後悔の声です。
ここでは、実際に多くのお客様が「やっておけばよかった」と感じた失敗例を20個にまとめました。
【原因】や【対策】とあわせて、これから外構を検討する方のチェックリストとしてお使いください。
駐車場が狭くてドアが開かない
【概要】
「車は停められるのに、ドアを開けたら壁やフェンスにぶつかってしまう」「子どもを乗せ降ろしするのに、身体の向きを変えられない」——そんな日常のストレスを感じている方は少なくありません。外構計画では“駐車台数”だけを気にしてしまいがちですが、実際には「乗り降りのしやすさ」「荷物の出し入れのしやすさ」こそが快適さのカギになります。特にチャイルドシートや高齢のご家族がいる場合には、十分な開閉スペースがないことで大きな不便やケガのリスクにもつながりかねません。
【原因】
図面上では十分なスペースに見えても、車幅やドアの開閉範囲を具体的に考慮していないことが主な原因です。軽自動車やコンパクトカーを基準にプランされていたり、建物配置との兼ね合いで余白が削られてしまうこともあります。近年は車両の大型化も進んでおり、ミラーを含めた実寸幅での確認が必要です。
【対策】
理想的には、車幅に加えて左右にそれぞれ45〜60cm以上のスペースを確保するのが基本です。たとえば車幅180cmの車なら、最低でも270〜300cmの駐車幅を確保すると、ドアの開閉もスムーズです。助手席側の方が乗り降り頻度が高いご家庭では、片側だけ広めに取る工夫も有効です。
【チェックポイント】
・現在お乗りの車種の「ミラー込み実寸幅」を外構業者に伝えましたか?
・ドアの開け閉め、チャイルドシート使用時の動きを想像していますか?
・将来、車を買い替えた場合や来客時にも対応できる幅になっていますか?
アプローチの階段が急すぎる
【概要】
玄関までのアプローチに段差のある階段を設けることは一般的ですが、その階段が急すぎると、毎日の出入りがとても不便になります。特にお年寄りや小さなお子様がいるご家庭では、つまずきや転倒のリスクが高くなり、安全面において大きな問題です。また、雨の日などは滑りやすくなり、より注意が必要になります。住宅展示場や完成予想図では見落としがちなこの部分も、実生活では毎日使う重要な場所。バリアフリー性や将来的な使いやすさを見据えた階段設計が求められます。
【原因】
多くの場合、敷地の高低差を短い距離で処理しようとするあまり、急勾配の階段になってしまうことが原因です。また、建物と土地の位置関係が決まった後に外構計画を後回しにすると、限られたスペースで無理に階段を設けざるを得ない状況になりやすいです。デザインを優先しすぎて、ステップ数や手すりの必要性を見落とすこともよくあります。
【対策】
アプローチ階段の理想的な寸法は、蹴上げ(段差の高さ)が15cm以下、踏み面(奥行き)が30cm以上とされています。これにより、足をしっかり乗せて安心して上り下りができます。段数が多くなる場合は、途中に踊り場を設けて動線にゆとりをもたせるのも効果的です。雨天や凍結時の滑りを防ぐために、ノンスリップタイルや手すりの設置もおすすめです。将来のバリアフリー対応も視野に入れておくと、長く安心して暮らせる外構になります。
【チェックポイント】
・蹴上げと踏面の寸法は、安全に上り下りできるバランスになっていますか?
・階段の勾配は急すぎず、段数に無理がありませんか?
・雨の日の滑りやすさや、手すりの必要性も考慮されていますか?
・将来的にご家族の年齢構成が変わったときも使いやすい設計ですか?
門柱や表札の位置が不便で配達が困る
【概要】
「表札が見つからず家がわからない」「ポストが遠すぎて不便」「宅配ボックスが使いにくい」──そんな声が意外と多いのが、門柱や表札など“家の入口まわり”の配置ミスです。訪問者や配達員が最初に接する部分である門柱の設計は、第一印象に直結します。見えにくい、使いにくい場所に配置されていると、住む人だけでなく訪れる人にも不便やストレスを与えることになります。また、近年増えている宅配ボックスやインターホンカメラとの連動など、機能的にも進化しているため、デザイン性と実用性の両立が欠かせません。
【原因】
門柱や表札の配置がうまくいかない原因として多いのは、建物の図面を優先しすぎて外構の導線や使いやすさを後回しにしてしまうことです。道路からの見え方や玄関までの距離、インターホン・ポスト・宅配ボックスの高さや動線など、実際の使用シーンを想定していないと「見えない」「届かない」「遠い」といった不満が生まれます。
【対策】
門柱は、玄関の動線上で使いやすく、道路からもしっかり見える位置に配置することが基本です。表札やポストは“目線の高さ”に近い位置(1.2〜1.5m程度)が見やすく、配達もしやすくなります。宅配ボックスやインターホンの高さも、家族全員が使いやすいよう調整しましょう。
【チェックポイント】
・道路から表札やポストが見やすい位置にありますか?
・玄関までの導線がスムーズで、配達員や来客が迷わずアクセスできますか?
・宅配ボックスやインターホンは使いやすい高さと位置に設置されていますか?
動線が悪く毎日が不便
【概要】
「駐車場から玄関までが遠くて荷物が大変」「ゴミ出しのルートが遠回り」「自転車を出し入れするのにフェンスを開け閉めしなければならない」──こんな日々のちょっとした不便が積み重なると、暮らし全体の快適さに大きく影響します。外構をプランする際、見た目のデザインや建物とのバランスばかりに目がいきがちですが、実際には毎日の生活に密着した“動線”の設計こそが重要です。通勤・買い物・ゴミ出し・子どもの送り迎えなど、日々の生活シーンを想像して動線を設計しないと、「住んでみてから不便に気づいた」という後悔が残ります。
【原因】
動線の悪さは、建物の間取りと外構を別々に考えてしまうことから起こることが多いです。建物の配置が決まったあとに外構を計画することで、スペースの制限や高さのズレが発生し、通りにくい・遠回り・使いにくいといった問題に繋がります。また、家族構成や生活スタイルを反映できていないと、実際の生活パターンに合わない設計になりがちです。
【対策】
外構を計画する際には、家族全員の1日の動きをシミュレーションすることが大切です。たとえば、「車を降りてから玄関まで傘をささずに行けるか」「ゴミ袋を運ぶとき段差はないか」など、具体的な行動パターンに沿って動線を検討しましょう。また、カーポートと玄関の距離、勝手口の位置、宅配ボックスや物置の場所も含めて、全体の使いやすさを優先した設計を心がけると快適な外構になります。
【チェックポイント】
・車から玄関までスムーズに移動できますか?
・ゴミ出しや洗濯動線など、家事の流れを妨げない配置になっていますか?
・段差やスロープ、舗装材など、安全面まで考慮した動線になっていますか?
・家族全員の動き方にフィットした設計になっていますか?
敷地を有効活用できていないデッドスペース
【概要】
広い敷地を持っていても、使われていない“デッドスペース”ができてしまうことは意外と多くあります。「なんとなく空いた場所が雑草だらけになっている」「家の裏が使い道もなく手入れもしにくい」といった状態では、せっかくの土地がもったいないだけでなく、見た目の印象も悪くなりがちです。限られた敷地の中で最大限に快適な生活を送るためには、外構にも“ゾーニング(用途の分け方)”の発想が重要です。駐車スペース・庭・物置・ゴミ置き場などを適切に配置することで、無駄をなくすことができます。
【原因】
デッドスペースが生まれてしまう主な原因は、建物の配置が決定してから外構のことを考えるケースが多いことです。建物の四隅や裏手、境界沿いなどが外構設計の視野に入っておらず、「余った場所」として扱われてしまいます。また、将来的な使い方や生活スタイルの変化を考慮せずに外構をデザインしてしまうと、活用されないスペースが生まれやすくなります。
【対策】
外構計画は、建物とセットで“敷地全体”の活用を考えることが大切です。最初に家族のライフスタイルや必要な機能(庭・駐車場・収納・遊び場など)を洗い出し、どこに何を配置するかゾーンごとに考えておきましょう。使い道のない場所は、防草シート+砂利敷きや、見えない裏側であっても収納やメンテナンス通路として役立つ設計に変えることができます。狭いスペースでも、目的を持たせることで価値のある空間にできます。
【チェックポイント】
・敷地全体の使い方にムダや重複はありませんか?
・「とりあえず空けておく」としている場所に明確な用途がありますか?
・裏手や角地など、普段見えにくい場所も活用されていますか?
・ゾーニングを考えた外構設計になっていますか?
外構のデザインが建物と合っていない
【概要】
建物にこだわって家を建てたのに、完成した外構を見て「なんだか全体のバランスが悪い…」と感じてしまうことがあります。例えば、モダンな建物にナチュラルなレンガ調の門柱を組み合わせたり、和モダンの外観にスタイリッシュなアルミフェンスを取り入れてしまったりすると、見た目にちぐはぐな印象を与えてしまいます。家の外観は、建物と外構が調和してはじめて美しくまとまるもの。外構のデザインは単体で考えるのではなく、建物と一体で計画する必要があります。
【原因】
外構のデザインが建物と合わない原因は、建築と外構を別々に発注したり、外構を建物完成後に後回しで考えたりすることが多いためです。その結果、建物の色・質感・形状とのバランスを取ることができず、完成してみると「ミスマッチ」に気づくというケースが少なくありません。また、外構業者が現地の建物写真や設計図を十分に見ないまま提案してしまうことも原因のひとつです。
【対策】
外構を設計する際は、建物の外観や屋根の色、窓の形状などをしっかりと考慮して素材や配色を決めることが大切です。たとえば、外壁と同系色の門柱を選ぶ、建物の水平ラインを外構にも反映する、アクセントカラーをフェンスやポストで統一するなどの工夫で全体に統一感が生まれます。建物の完成写真やサンプル素材を元に、外構と建物が自然につながるようなデザインを心がけましょう。
【チェックポイント】
・建物の外壁や屋根の色に調和した素材を選んでいますか?
・外構が「あとから付け足した印象」になっていませんか?
・家の雰囲気(ナチュラル/モダン/和風など)と外構が合っていますか?
・色数が多すぎたり、素材の質感がバラバラになっていませんか?
植栽が多すぎて手入れが大変
【概要】
緑に囲まれた庭は見た目にも癒され、建物を引き立てる大切な要素のひとつです。しかし、植栽を多く取り入れすぎたことで「思っていた以上に手入れが大変…」という声もよく聞かれます。特に落葉樹の多い庭では、秋冬にかけて落ち葉の掃除が頻繁に必要となり、剪定や消毒などのメンテナンスも年に何度も発生します。忙しい毎日の中で庭の手入れに時間を割けず、結果的に雑草が目立ったり、荒れてしまったりして後悔することになるケースも少なくありません。
【原因】
「緑が多い方が高級感がある」「展示場のように華やかにしたい」といったイメージだけで植栽計画を進めると、管理の手間やコストまで考慮できていないことが多くなります。また、植物の成長後のサイズや広がりを想定していなかったために、建物の外壁に枝がかかってしまったり、隣地にはみ出してしまうといったトラブルに発展するケースもあります。
【対策】
植物を選ぶ際は、デザイン性だけでなく、成長のスピードや維持のしやすさを重視することが大切です。常緑で落葉が少ない種類を中心に選んだり、剪定の少ない低木を組み合わせたりすることで、手間を最小限に抑えることができます。また、植栽スペースの下には防草シートやマルチング材を敷いて、雑草対策をしておくのも有効です。定期的な剪定や水やりを業者に依頼するメンテナンスプランを最初から組んでおくのも一つの手です。
【チェックポイント】
・植える植物の「成長後のサイズ」や「手入れ頻度」を確認しましたか?
・常緑樹と落葉樹のバランスを考えていますか?
・庭の維持管理にかかる手間や費用を現実的に想定していますか?
・防草シートやマルチングなど、手入れ軽減の工夫を取り入れていますか?
プライバシーが確保できない
【概要】
「リビングの大きな窓から室内が丸見えで落ち着かない」「道路を歩く人と目が合って気まずい」──そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。外構におけるプライバシー対策が不十分だと、せっかく明るく開放感のある間取りでも、カーテンを常に閉めた生活になってしまいます。また、目線の抜ける方向や隣地との高さ関係を十分に確認していないと、後から「こんなに見えるとは思わなかった」と後悔する原因になります。外構は“視線をコントロールする”ことで、住まいの快適性と安心感を大きく向上させることができます。
【原因】
建物の設計段階では、間取りや窓の位置に意識が向きがちで、外からの見え方まで意識が及んでいないことが多くあります。また、外構の設計を後回しにしてしまうと、家が完成してから「意外と外から丸見えだった」と気づくケースも少なくありません。さらに、目隠しフェンスや植栽の高さや配置に配慮が足りず、視線の抜け方をコントロールできていないことも原因になります。
【対策】
リビングや玄関、洗面所などプライバシー性が求められる空間の外側には、視線を遮るためのフェンスや植栽、スクリーンなどを効果的に配置しましょう。フェンスであれば、H1200mm〜H1600mm程度の高さが目隠しに有効です。ルーバータイプや格子デザインで抜け感と遮蔽性を両立することも可能です。植栽を併用することで季節感も楽しめ、柔らかい印象に仕上げることができます。また、現地で実際の視線高さをシミュレーションして、どの方向から見えやすいかを確認しておくことも重要です。
【チェックポイント】
・リビングや浴室の窓の前が外から見えやすくなっていませんか?
・目隠しフェンスの高さや隙間幅は、視線をしっかり遮れる仕様になっていますか?
・植栽やスクリーンなど、複数の要素を組み合わせて視線対策ができていますか?
・座った視線/立った視線/外からの目線、複数の高さで確認しましたか?
雨のたびに水たまりができる
【概要】
「雨の翌日に玄関前に大きな水たまりができて通れない」「駐車場のタイヤ部分がぬかるんで靴が汚れる」といった声は、外構工事における非常に多いトラブルのひとつです。水はけの悪い外構は、見た目の印象が悪くなるだけでなく、カビ・苔の発生やコンクリートの劣化にもつながり、将来的な修繕費用が発生するリスクもあります。また、小さなお子様や高齢者の転倒リスク、雨天時のストレスなど、日常の快適さや安全性にも大きく関係してきます。
【原因】
水たまりができる原因の多くは、水勾配(みずこうばい)の設計不足にあります。水勾配とは、雨水が自然と流れるように地面や舗装面に傾斜をつけることですが、これが不十分だったり、傾斜の方向が逆になっていたりすると、雨水が排水口に流れずに溜まってしまいます。また、排水マスや暗渠排水(地中排水管)が設けられていない、あるいは施工精度が低いことも原因となります。透水性のない土壌や、広い土間コンクリートの一面打ちなども要注意です。
【対策】
水たまりを防ぐためには、外構全体の排水計画を初期段階からしっかり立てることが重要です。舗装面には、一般的に2%(1mにつき2cmの傾斜)以上の水勾配を確保し、排水マスやグレーチング(溝)などに水が確実に流れるように設計しましょう。土間コンクリートを打つ際には、排水の方向・量・水の流れのシミュレーションを行い、必要であれば暗渠排水なども併用します。また、透水性のある舗装材や、透水砂利を取り入れることも有効です。
【チェックポイント】
・水勾配(2%程度)が適切にとられていますか?
・雨水が集まる場所に排水口やマスが設けられていますか?
・水の流れの方向が建物や隣地に向かっていないか確認しましたか?
・大雨や台風などを想定した排水対策がされていますか?
排水設備が不十分
【概要】
雨の日や台風の後に「敷地内に水が溜まり続けている」「地盤がぬかるんで足元が悪い」と感じる場合、それは排水設備の不足や不具合が原因かもしれません。排水設備とは、雨水をスムーズに敷地外へ流すための排水マスや配管、暗渠排水、グレーチング(排水溝)などを指します。これらがきちんと計画・施工されていないと、どれだけ水勾配をとっても雨水は逃げ場を失い、住環境に悪影響を及ぼします。特に近年はゲリラ豪雨など降雨量が多い傾向があり、排水設備の重要性はより高まっています。
【原因】
排水設備の不足は、外構計画の初期段階で排水量や経路のシミュレーションが不十分だった場合に起こります。また、「元の土地は水はけが良いから大丈夫」という思い込みや、施工コストを抑えるために排水マスや配管の数を最小限にしてしまうと、雨が降ったときに水が滞留してしまいます。さらに、既存の排水設備と接続する際の設計・勾配ミスや、施工不良も問題の一因となります。
【対策】
まずは敷地の地盤や高低差、近隣道路や敷地境界の排水状況を調査し、それに合わせた排水経路を設計する必要があります。必要に応じて排水マスの増設、透水管の敷設、雨水桝から側溝への接続などを検討しましょう。また、土間コンクリートや舗装面だけでなく、庭や砂利敷き部分も排水の流れを考慮して設計することが大切です。水が集まりやすい箇所には暗渠排水や透水性の舗装材を取り入れるのも有効です。
【チェックポイント】
・排水マスの数や位置は適切ですか?
・排水ルートに勾配は取れており、水が滞留しない設計になっていますか?
・隣地や道路へ水が流れて迷惑をかけない設計になっていますか?
・透水性舗装や暗渠排水など補助的な排水対策が取られていますか?
夜間が暗くて足元が危険
【概要】
「玄関までのアプローチが夜は真っ暗で怖い」「駐車場から家までの通路が見えづらくてつまずいた」など、夜間の暗さに関する悩みは意外と多く寄せられます。外構の照明が不足していると、足元の段差や階段、植栽の影などが見えづらくなり、転倒事故や防犯上の不安につながります。特に高齢のご家族や小さなお子様がいるご家庭では、外灯の有無が安全性に直結します。また、見た目の印象としても、暗い外構は“無人”や“留守”のような印象を与えてしまうことがあり、防犯面でもマイナス要因となります。
【原因】
外構計画の際、照明の検討が後回しになることが多く、設置場所・明るさ・スイッチ操作の位置などが十分に考慮されないまま進んでしまうことが原因です。また、「費用を抑えるために照明は最低限に」という判断も、結果的に安全性を損なう原因になります。デザイン優先で間接照明だけに頼った場合や、植栽や塀の影になってしまう場所がある場合も、想定より暗くなることがあります。
【対策】
計画段階で、夜の動線(玄関〜駐車場〜門扉)をイメージしながら、必要な位置に適切な照明を配置することが大切です。玄関まわりにはポーチライト、アプローチや階段には足元を照らすポールライトやフットライトを設けましょう。人感センサー付き照明やタイマー制御のLEDライトなどを使うことで、電気代の節約と防犯対策の両立も可能です。特にアプローチの段差や花壇の縁など、つまずきやすい箇所を重点的に照らすと安心です。
【チェックポイント】
・夜間のアプローチや階段が十分に明るく、安全に歩けますか?
・人感センサーやタイマー照明など、自動点灯の仕組みが導入されていますか?
・照明の設置場所が影になっておらず、実際の明るさをシミュレーションしましたか?
・デザイン性だけでなく、安全性・防犯性も兼ねた照明計画になっていますか?
思った以上にメンテナンスが大変だった
【概要】
「砂利の間から雑草がどんどん生えてくる」「木の剪定や落ち葉掃除が手間で困っている」「水はけが悪く、雨のたびにぬかるむ」──外構工事後の暮らしの中で、メンテナンスに悩まされるケースは少なくありません。工事完成時には見た目が美しくても、数ヶ月・数年経つうちに汚れや劣化、植物の管理などが必要になります。とくに忙しい共働き世帯や高齢のご家庭では、「思ったより手がかかる外構だった」と後悔されることもあるのです。
【原因】
原因としては、「素材や植栽を選ぶ際にメンテナンス性を重視しなかった」「使い方を業者と共有していなかった」「日当たりや風通しなど敷地特性を十分に考慮していなかった」などが挙げられます。たとえば天然芝は定期的な草刈りや水やりが必要ですし、天然木のウッドデッキもこまめな塗装や防腐処理が不可欠です。また、砂利敷きも下地処理が不十分だと雑草の発生源になります。デザイン性ばかりを優先して選んでしまうと、後々の維持管理で苦労することになりかねません。
【対策】
外構プランを考える際は、「見た目」だけでなく「暮らし続けた後の管理負担」もイメージしておくことが大切です。雑草対策には防草シート+砂利敷きやコンクリート舗装、人工芝などを検討しましょう。植栽は落葉樹より常緑樹を選ぶ、成長の遅い種類を選ぶといった工夫も有効です。また、雨水の排水経路や水たまり対策も、事前に業者と共有しておくことでトラブルを防げます。できるだけ「手間がかからない外構」を目指すことが、長く快適に住まうためのコツです。
【チェックポイント】
・植栽や素材の管理に、どれだけ手間がかかるか事前に確認しましたか?
・雑草・落ち葉・ぬかるみなど、敷地特性に応じた対策ができていますか?
・定期的な掃除やメンテナンスが必要な場所を把握していますか?
・10年後・20年後のライフスタイルに合わせた設計になっていますか?
タイル・コンクリートなど仕上げの施工不良
【概要】
外構工事が完了した直後は美しく見えていても、時間が経つと「タイルが浮いてきた」「コンクリートに大きなヒビが入った」「目地の隙間から雑草が生える」といった不具合が発生することがあります。これは、タイルやコンクリートといった仕上げ材における“施工不良”が原因の可能性があります。仕上げは見た目の美しさだけでなく、耐久性・安全性にも関わる重要な部分です。不具合が起きた場合は見た目の問題だけでなく、再施工や補修のコスト・手間もかかってしまうため、慎重な施工と事前対策が必要です。
【原因】
タイルやコンクリートの施工不良の主な原因は、「下地処理の不備」「気温・湿度を無視した施工タイミング」「職人の技術不足」などです。たとえば、コンクリート打設時に気泡をしっかり抜かなかったり、急激な乾燥を避ける養生(ようじょう)が不十分だと、ひび割れや粉吹き(白華現象)が起きやすくなります。また、タイルを貼る際に使用する接着材(モルタルや接着剤)の選定ミスや、貼り付けの圧着不足も、浮きや剥がれの原因になります。
【対策】
信頼できる施工業者に依頼することが、最も重要な対策です。特にタイルやコンクリートといった仕上げ部分は、職人の技術力によって仕上がりが大きく変わります。施工時期も重要で、真夏や真冬など極端な気候条件下での施工には注意が必要です。また、土間コンクリートのひび割れを防ぐためには「伸縮目地」や「スリット(隙間)」の計画的な配置も大切です。タイルの場合は、屋外用の滑りにくい製品を選ぶとともに、雨による滑りやすさも考慮しましょう。
【チェックポイント】
・下地の施工や養生は適切に行われていますか?
・施工業者に「屋外タイル」や「コンクリートの施工実績」がありますか?
・タイルが浮いたり、目地に隙間ができたりしていませんか?
・雨の日でも滑りにくい仕上げ材を選んでいますか?
カーポートやテラス屋根が後付けできない
【概要】
「予算の都合でカーポートは後から設置しようと思っていたのに、柱を立てるスペースがなかった」「土間コンクリートを打ってしまった後では工事が難しいといわれた」──このように、外構工事を段階的に進めようとした結果、カーポートやテラス屋根が希望通りに設置できないというケースは非常に多いです。特に新築時は「ひとまず最低限だけ…」と割り切ってしまいがちですが、将来の追加工事を見越した下準備をしていないと、いざ設置する際に予想外の費用や手間がかかってしまいます。
【原因】
後付けが難しくなる原因としては、主に「柱を立てるためのスペースが残っていない」「基礎部分の構造が適さない」「建物の構造や屋根との干渉」「既存コンクリートの解体が必要」などが挙げられます。また、建ぺい率・容積率・自治体の建築規制によって設置できない場合もあるため、設計段階での確認不足がトラブルのもとになります。建物の引き渡し後に施工すると、建築確認申請が必要になるケースもあるため注意が必要です。
【対策】
たとえすぐに設置しない場合でも、設置を見越した設計・施工を事前に行うことが重要です。具体的には、土間コンクリートの一部を柱用に開けておく、埋設配管と干渉しない位置を確保する、建築計画段階で屋根や庇と干渉しないかを確認するなどです。カーポートの種類やサイズを先に仮決定しておけば、後付け工事がスムーズになります。また、事前に市区町村の建築規制や協定なども調査しておきましょう。
【チェックポイント】
・カーポートや屋根を設置する予定のスペースは十分に確保されていますか?
・柱を立てる位置と土間コンクリートの打設範囲が干渉していませんか?
・建築基準法や自治体のルールを確認済みですか?
・将来的に設置を検討している場合、施工業者にあらかじめ伝えていますか?
フェンスが低すぎて防犯・目隠しにならなかった
【概要】
「道路から家の中が丸見えになってしまった」「隣地からの視線が気になって落ち着かない」──フェンスを設置したのに、思ったほど目隠し効果や防犯性が得られなかったという失敗もよくあります。特に新築時には、最低限のブロック+アルミフェンスだけで済ませるケースが多いですが、実際に住み始めてから「こんなに低いと意味がない」と感じることも。フェンスは単に囲うためのものではなく、視線カットや侵入抑止など、暮らしの安心を支える重要な要素です。
【原因】
主な原因は、「高さの感覚が図面だけではつかみにくい」「道路との高低差を見落としていた」「施工費を抑えるために標準品を選んだ」などです。また、目隠し性能のあるフェンスは一般的に価格が高いため、コスト優先でルーバーの間隔が広いタイプや低いサイズを選んでしまうと、実際の現場で“隠せない”“登れそうで不安”という状態になることがあります。加えて、日照や風通しを意識しすぎて開放的にしすぎた結果、逆に外から丸見えという事態も。
【対策】
設計時には、現地で立った状態や窓からの視点など「生活者の目線」で高さを確認しましょう。敷地が道路より低い場合は、より高いフェンスが必要になることもあります。目隠しフェンスには「完全目隠しタイプ」と「部分的に隙間があるタイプ」があり、用途(隣地との間・通りからの視線・玄関周辺など)に応じて選ぶことが大切です。加えて、防犯面では「高さ180cm以上」「足がかりのないデザイン」「強度のある素材」などが推奨されます。
【チェックポイント】
・道路や隣地との高低差を加味して、フェンスの有効な高さが確保されていますか?
・目隠しの目的(プライバシー重視 or 採光・通風)に合ったデザインを選んでいますか?
・不審者の侵入を防ぐ構造になっていますか?
・見た目だけでなく、暮らしの安心感につながる配置・設計になっていますか?
ゴミ置き場や自転車置き場がなくて困った
【概要】
住み始めてから「ゴミを一時的に置く場所がない」「自転車の置き場が狭くて出し入れが面倒」「雨ざらしで自転車がすぐに劣化した」といった声は非常に多く聞かれます。ゴミ置き場や自転車置き場は、日常生活に直結する“生活設備”ですが、新築時の外構計画ではどうしても後回しになりがちです。とくに敷地が限られている場合、「なんとなく玄関脇に置けばいいか」と考えた結果、通行の妨げになったり、見た目が悪くなったりするケースも多く見られます。
【原因】
主な原因は、「設計段階で生活動線を具体的に想定していなかった」「建物と駐車場スペースだけで敷地を使い切ってしまった」「ゴミ収集ルールや家族構成の変化を考慮していなかった」などが挙げられます。特に自転車は家族の人数分必要になったり、将来的に子どもが乗る自転車のサイズが変わるため、予想以上にスペースが必要になります。また、屋根や収納庫がないと、雨風にさらされて劣化や盗難のリスクが高まることもあります。
【対策】
設計段階から「日常的に使うものほど、最もアクセスしやすく快適な位置に配置する」という発想を持つことが大切です。ゴミ置き場は玄関からの距離や収集車の位置、周囲からの視線などを考慮して、専用スペースを確保しましょう。自転車置き場は、雨よけの屋根やサイクルポートを設置することで、見た目にもすっきりします。将来の台数増加も見越して、スペースに余裕を持たせておくことも重要です。
【チェックポイント】
・ゴミを出すまでの動線はスムーズですか?
・自転車の出し入れがしやすいスペースが確保されていますか?
・雨や風を避けられる屋根やカバーの設置はされていますか?
・見た目や通行の妨げにならないような配置になっていますか?
子ども・ペットの安全配慮不足
「子どもが玄関を飛び出して道路に出そうになった」「ペットが庭から外に逃げ出してしまった」など、外構における“安全配慮の不足”は、命に関わる深刻なトラブルにつながることもあります。とくに小さなお子さんやペットと暮らしているご家庭では、道路との境界や階段・段差など、危険が潜むポイントが多く存在します。ところが、外構プランではつい「大人目線」で設計してしまいがちで、実際の生活が始まってから“こんなに危ないとは思わなかった”と気づくケースが多いのです。
【原因】
安全対策が不十分になる主な原因は、「子どもやペットの行動範囲・動き方を想定していなかった」「予算の都合でフェンスや門扉を後回しにした」「外構全体の見た目を重視しすぎた」などが挙げられます。また、開放的なデザインを優先して門扉を設けなかったり、隙間の広いフェンスや段差のあるステップをそのまま採用してしまうと、転倒・飛び出し・脱走などのリスクが高まります。特に道路に面した敷地では要注意です。
【対策】
外構計画では「子どもが勝手に外に出られない」「ペットが庭から飛び出さない」「転倒しづらい動線にする」といった視点を、初期段階からしっかり取り入れることが大切です。たとえば門扉を設置して動線を制限したり、フェンスの隙間を狭くしたり、滑りにくい素材を使うといった配慮が有効です。段差にはステップやスロープを追加する、芝やクッション材を敷くなども安全性の向上に役立ちます。将来的に子どもが成長しても使いやすい動線づくりも意識しましょう。
【チェックポイント】
・子どもが一人で道路に飛び出せるような構造になっていませんか?
・ペットが外に出ないようなフェンスや扉が設置されていますか?
・階段や段差部分に、転倒や滑りのリスクはありませんか?
・家族全員が安心して暮らせる安全設計になっていますか?
見積に含まれない工事が多く追加費用が発生
【概要】
「予算内でお願いしたつもりが、工事が始まってからどんどん追加費用を請求された」「最初の見積には含まれていなかった項目が多く、想定より何十万円も高くなった」──このような声も珍しくありません。外構工事では、地中埋設物の処理や残土処分、追加のブロック積みや水道工事などが、当初の見積書に入っていないことがあり、あとから「別途費用」として加算されるケースが多くあります。契約前にどこまでの内容が含まれているのかを明確にしておかないと、大きなトラブルにつながりかねません。
【原因】
このような事態になる主な原因は、「見積書の内容がざっくりしすぎていた」「設計図が固まる前に見積を出してしまった」「業者が追加工事の可能性を十分に説明しなかった」などです。また、価格の安さだけに注目して契約してしまうと、必要な工程が最初から省かれていて、結果的に別料金で加算されるケースもあります。特に解体工事・境界工事・排水計画などは「別途見積」「現場確認後」とされがちで、注意が必要です。
【対策】
契約前には、見積書にどこまでの内容が含まれているのかを必ず細かく確認しましょう。項目が「一式」や「その他工事」などの曖昧な表現になっている場合は、具体的に説明を求めることが重要です。また、可能であれば図面が確定した段階で最終見積を取り、契約時点で金額の変動リスクを減らすこともポイントです。信頼できる業者は、工事範囲外の可能性がある項目についても事前に説明し、必要に応じて予備費を提示してくれるはずです。
【チェックポイント】
・見積書の内容は細かく明記され、抜け漏れがないか確認しましたか?
・図面や仕様が固まった状態で見積を出してもらいましたか?
・「別途工事」とされている項目について、範囲や費用の目安を把握していますか?
・契約前に追加費用が発生しそうな要素を説明してもらえましたか?
完成イメージと違って後悔
【概要】
「思っていたよりも色が濃かった」「サイズ感が違って圧迫感がある」「写真で見たよりチープに見える」など、完成後に「イメージと違う」と後悔するケースは意外と多く見られます。外構工事は、住宅のように室内にサンプルを設置して体感できる機会が少なく、図面やパースだけで判断することが多いため、完成形が頭の中と違っていた…というギャップが起こりやすいのです。せっかく高い費用をかけたのに、満足度が下がる原因になってしまいます。
【原因】
このような失敗の主な原因は、「図面やパースを過信しすぎた」「実物サンプルや現場確認をしなかった」「照明や天候、隣接環境を想定できていなかった」などが挙げられます。特にカラーや質感は、PC画面やカタログで見るのと、屋外の日差しの下で見るのとでは印象が大きく異なるため注意が必要です。また、サイズ感や空間の広さも、平面図では分かりにくく、実際の敷地に立ってみて初めて気づくことが多いポイントです。
【対策】
まず、可能な限り実物サンプルを取り寄せて、現地で太陽光の下で確認しましょう。カラーバランスや質感の違いを体感することで、完成後のズレを防ぐことができます。また、3Dパースや立体図を活用する場合も、あくまで「参考イメージ」として捉えることが重要です。さらに、過去の施工事例を写真だけでなく実際に見せてもらえる業者を選ぶと、より具体的な完成像を描きやすくなります。施工前にしっかり共有・確認するプロセスが満足度に直結します。
【チェックポイント】
・素材や色は実物サンプルを現地で確認しましたか?
・パースや図面は、現実に近い縮尺・視点で作られていますか?
・照明や周辺環境を含めた完成後のイメージを確認しましたか?
・過去の施工事例を見せてもらい、納得感のある打ち合わせができましたか?
アフターフォローや保証がなくて困った
【概要】
「工事後すぐに不具合が出たのに、業者に連絡がつかない」「保証がないので修理費がすべて自己負担になった」など、施工後のアフターフォロー体制が整っていなかったことでトラブルに発展するケースがあります。外構工事は、屋外で常に雨風や日射しにさらされるため、時間の経過とともに不具合が出ることも少なくありません。そのときにきちんと対応してもらえるかどうかは、工事そのものと同じくらい重要な判断ポイントになります。
【原因】
アフター対応のトラブルが起こる原因としては、「保証内容を契約時に確認していなかった」「施工業者が下請け中心で責任の所在が不明」「そもそも保証制度がない業者だった」などが挙げられます。価格が安い業者に依頼した場合、保証やアフター体制まで行き届いていないことも多く、万が一の際に泣き寝入りとなることも。また、個人経営の業者で突然連絡が取れなくなるなど、信頼性に不安があるケースも見受けられます。
【対策】
契約前に必ず、「どんな不具合に、どれだけの期間、どこまで対応してくれるのか」を確認しておきましょう。書面で保証内容を明記した契約書を交わすことが重要です。さらに、施工後に定期点検をしてくれるかどうか、連絡体制がしっかりしているかも確認しましょう。会社として長く地域密着で活動しているか、過去のお客様の声が確認できるかなど、アフターサービスまで見越した業者選びを心がけることが大切です。
【チェックポイント】
・保証内容と対応期間が明文化されていますか?
・施工後に不具合が起きた場合の連絡先は明確ですか?
・保証対象外の工事内容についても説明を受けましたか?
・会社として継続的に営業している信頼できる業者ですか?
まとめ|早めの計画と相談が成功のカギ
外構の失敗は「知らなかった」「確認しなかった」から始まります。
建物計画と同時に外構を検討し、生活動線・水はけ・安全性・将来拡張まで想定した設計を行えば、多くのトラブルは未然に防げます。
- 早めにプロへ相談(建築設計中が理想)
- 現地で高さ・幅・勾配を体感しながら決定
- 明細見積でコストの“抜け”をなくす
- 完成イメージを3D・写真・サンプルで共有
「もっと早く相談すればよかった」とならないよう、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。