土留め(どどめ)は、敷地の高低差を支えたり、土の流出を防ぐ重要な構造物です。しかし、ただのコンクリート壁では外構の印象が無機質になりがち。今回は、機能性とデザイン性を兼ね備えた「魅せる土留め」の実例を9件ご紹介します。
土留めとは?意外と知らないその役割
土留めは、敷地に高低差がある際に必要な「土が崩れないように支える構造物」です。主に化粧ブロック、コンクリート、擁壁などで構成され、地盤の安定や雨水対策、さらには隣地トラブル防止にも重要な役割を果たします。
なぜ「見た目」も大切なのか?
土留めは建物正面やアプローチの一部になることが多く、見た目も外構デザインに直結します。素材や形、色味を工夫することで、外構の完成度がグッと高まり、「おしゃれな家」という印象に変えることができます。
おしゃれな土留めデザイン実例9選
ブロック塀撤去で誕生した開放的駐車スペース|神戸市西区 I様邸
ポイント:ユニソン「リゲル」の化粧ブロックと白いメッシュフェンスで、明るく軽やかな印象に
もともとあったお庭と古いブロック塀をすべて撤去し、車1台分の駐車スペースを新たに造成。土留めには、直線的でシャープなデザインが特長の化粧ブロック「ユニソン リゲル」を採用しました。
ブロック上部には、LIXILの白いハイグリッドフェンスを設置。視線をやわらかく遮りながらも、圧迫感を抑えた開放的な雰囲気を演出しています。
地中に埋まっていた配管の再配置や段差の解消、水勾配の確保など、見えない部分まで丁寧に施工されており、美しさと機能性を兼ね備えた外構リフォームです。
ホワイトのリブブロックで魅せる土留め|明石市 S様邸
ポイント:ホワイトのリブブロックで、重厚感とやさしさを両立
お庭の拡張とアプローチの整備に合わせて、駐車場奥にホワイトのリブブロックを使った土留めを新設。程よい凹凸のあるブロックが、存在感を出しつつ柔らかな印象を与えてくれます。
フェンスにはプレミアムホワイト、アプローチには白系の乱形自然石を使用し、建物から外構までトーンを統一した美しいコーディネートに仕上がっています。ナチュラルさと上質さが共存する、明るく洗練された外構デザインです。
素材とラインで魅せる上質な土留めブロック|神戸市西区 K様邸
ポイント:ユニソン「スピカ」の化粧ブロックで、重厚感と統一感を演出
駐車スペースの前面には、ユニソンの化粧ブロック「スピカ」を採用。落ち着いたグレートーンが建物外観と美しく調和し、外構全体に統一感をもたらしています。
もともとあったブロックは一部を解体し、新たに再施工することで、機能性とデザイン性を両立。見た目の美しさはもちろん、使いやすさにも配慮された、上質な土留め構成です。
複数の土留めを組み合わせた外構デザイン|神戸市西区 K様邸
ポイント:ユニソン「リゲル」と「シルマ」の美しいコントラストが際立つ土留め構成
敷地には道路との間に高低差があったため、まずはしっかりと土留めを設けた上で駐車スペースを確保しました。土留めの上部には目隠しフェンスを設置し、道路側からの視線を遮ることでプライバシーにも配慮しています。
ゆとりある敷地を活かし、駐車スペースとお庭スペースの両方を十分に確保。使用した土留めには、ユニソンの「リゲル」と「シルマ」2種類の化粧ブロックを組み合わせ、さらに色の異なるブロックで水平ラインを入れることで、洗練された印象に仕上げています。
機能性はもちろん、細部のデザインにもこだわった上質な外構です。
外壁と調和するやさしい土留めデザイン|明石市 F様邸
ポイント:外壁に合わせたベージュ系化粧ブロック「ユニソン アルタ」で、やさしい印象に
古くなった塀を撤去し、温かみのあるベージュカラーの化粧ブロックと目隠しフェンスで土留めを再構築。ブロックには、建物の外壁と色味を揃えたユニソン「アルタ」を採用し、外構全体に統一感を持たせています。
目隠しフェンスには完全目隠しの横ルーバータイプを使用。隣地や道路からの視線をしっかり遮りながら、高さにも配慮した快適なプライベート空間を実現しています。
ナチュラルでやさしい色合いと、機能性を両立した、暮らしに寄り添う土留めデザインです。
グレー×木調で魅せる高低差を活かした土留め|神戸市垂水区 H様邸
ポイント:久保田セメント「バリュー1」を使用したシンプルモダンな土留め構成
隣地との境界や擁壁の上の土留めには、久保田セメントの化粧ブロック「バリュー1」を使用。土留めブロック上には目隠しフェンスを設置し、外部からお庭や室内が見えにくい安心設計となっています。
グレー系のブロックに木調フェンスを組み合わせることで、シンプルでモダンな印象に加え、温かみと開放感をプラス。木調色の割合を調整することで、圧迫感を抑えつつデザイン性の高い外構に仕上がりました。
建物の高低差を活かしながら、統一感ある素材・配色で構成された土留めデザインです。
ナチュラルな高低差対応の土留めデザイン|明石市 K様邸
ポイント:ユニソン「アルタ」の化粧ブロックで、やさしく上品な土留めに
道路との高低差がある敷地に対し、ユニソン「アルタ」のグレー系ブロックを使って、景観になじむ土留めを設計。駐車場とお庭の間に段差があるため、モルタル階段で動線を確保し、使いやすさにも配慮しています。
目隠しフェンスを設置し、道路からの視線をしっかりカット。ナチュラルな雰囲気を保ちつつ、プライバシーを守る心地よい外構に仕上がりました。
やさしいベージュの土留めで隣地境界を整える|神戸市垂水区 M様邸
ポイント:ベージュ系の土留めで隣地境界をカバー
ポイント:ベージュ系化粧ブロックでナチュラルに隣地との境界をカバー
こちらは、建て替えを機に施工された2世帯住宅の新築外構。全体を淡いトーンでまとめた、かわいらしく温かみのあるデザインが特徴です。
隣地との境界には、既存の擁壁が一部不足していたため、その解消策として新たに土留めを施工。ベージュ系の化粧ブロックを使うことで、外構全体の雰囲気とも調和し、自然で柔らかな印象に仕上がりました。
高低差に対応した強固で美しい土留め設計|神戸市垂水区 T様邸
ポイント:擁壁ブロック+透水マットで安全性と排水性を両立
建て替えに伴う新築工事にて、既設の擁壁を一部撤去し、必要な箇所には新たに擁壁ブロックを施工。駐車場と建物に高低差があるため、構造強度の高い「中空型擁壁ブロック」を採用し、安全性にも配慮しています。
また、ブロック裏には透水マットを設置し、雨水が溜まらずに水抜き穴から効率よく排水される構造に。見た目はグレー系で統一された土留めデザインが、全体のモダンな外構と美しく調和しています。
土留め設計で失敗しないためのポイント
- 素材選び:外観や庭と調和する色・質感を選ぶ
- 構造安全性:基礎・鉄筋・排水など見えない部分こそ丁寧に
- 高さのバランス:段差の分散や段構成で圧迫感を軽減
- 照明・植栽との連携:夜の美しさや空間の立体感を演出
まとめ|土留めで外構の印象は劇的に変わる
土留めは構造的に不可欠な要素でありながら、素材やデザインの工夫で“魅せる外構”の一部として活用できます。今回ご紹介した9つの実例をヒントに、ぜひあなたの住まいにも、機能と美しさを両立した土留めを取り入れてみてください。