要注意!フェンスは何mまで設置できる?法律で定められた高さ制限まとめ

  

投稿日: 2025年9月8日

外構工事でよく相談いただくのが「フェンスを何mまで設置できるのか?」というご質問です。プライバシーや防犯のために高めのフェンスを希望される方は多いですが、実は建築基準法や自治体の条例で高さ制限が定められているのをご存じでしょうか。

この記事では、外構工事の専門家がブロック塀とフェンスの高さ制限の違い、地面に基礎を設ける場合との違い、実務上の注意点を詳しく解説します。

ブロック塀そのものの高さ制限

目隠しフェンスのイメージ画像

まずは土台となるブロック塀の高さ制限について見ていきましょう。

  • 無補強ブロック塀 … 高さ1.2mまで
  • 鉄筋補強ありブロック塀 … 2.2mまで(実務的な上限)

建築基準法では、ブロック塀は高さ2.2m以内とされています。これは地震や台風時の倒壊防止を目的としています。
ただし、厳密には「鉄筋補強ありは最大2.2mまで」と断定できるわけではなく、2.2mを超える場合は構造計算や追加要件が必要です。そのため実務としては「2.2mが上限」と考えるのが一般的です。

ブロック塀にフェンスを載せる場合の高さ制限

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合計高さで2.2m以内(実務上の基準)

多くの自治体や施工業者は「ブロック塀+フェンス=合計2.2m以内」というルールで運用しています。

  • 例:ブロック塀1.2m+フェンス1.0m → 合計2.2m → OK
  • 例:ブロック塀1.6m+フェンス0.9m → 合計2.5m → NG

ここで注意したいのは、建築基準法に「ブロック+フェンス合算2.2m」という明確な規定はないという点です。法律で明文化されているのはブロック塀単体の高さ制限のみです。
しかし、安全配慮や自治体指導として「合計2.2m以内」を守るのが実務の標準となっています。

注意点

  • ブロック塀が古い場合、強度不足でフェンスを載せると倒壊リスクが高まります。
  • フェンスの高さを1.8m以上にする場合は、強度の関係からブロック塀の上ではなく「独立基礎タイプ」を選ぶことをおすすめします。

地面に独立基礎を設けて建てる場合のフェンス高さ制限

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フェンスを地面に直接基礎を設けて設置する場合は、ブロック塀の制限を受けません。建築基準法上、フェンス単体には明確な高さ制限は定められていないためです。

実務での扱い

  • 法律上の明確な上限はなし
  • ただし安全性や風圧を考慮し、2.0m前後までが一般的
  • 自治体の景観条例や日影規制によって、2.0〜2.9m程度の制限がかかることもある
  • 高さ・構造によっては建築物扱いとなり、建築確認申請が必要なケースもある

そのため「独立基礎は制限がない」と断定するのは正しくなく、地域や用途地域による違いがある点に注意が必要です。

メリット

  • ブロック塀と合算しないため、より高いフェンスを設置できる
  • 耐震性・耐風性を確保しやすい

デメリット

  • 独立基礎を設けるため、コストアップになる
  • 掘削工事やコンクリート基礎が必要になる場合が多い

フェンス設置でよくある失敗例

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  • 高さオーバーで撤去命令 … 規制を知らずに施工し、自治体から是正指導を受けた。
  • 圧迫感が強い … 高さ1.8m以上を境界いっぱいに設置し、家が暗く閉鎖的な印象に。
  • 台風で倒壊 … ブロック塀上に高いフェンスを載せ、風圧に耐えられず破損。
  • 隣地トラブル … 高すぎるフェンスが「日当たりを妨げる」としてクレームに。

フェンス高さを決めるときのポイント

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  • 目的を明確にする … プライバシー重視、防犯重視、デザイン重視で適切な高さは変わる。
  • 周囲環境とのバランス … 隣家や道路からの目線、建物との調和、採光・通風を考慮。
  • 法規制を確認 … ブロック塀+フェンス合計2.2m以内(実務基準)、自治体条例も確認。
  • 施工業者に相談 … 構造計算や基礎設計を含め、安全かつデザイン性の高い提案を受ける。

フェンス高さごとの目的と特徴

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1.0m前後のフェンス

  • 主な用途:境界の明示、庭と道路の仕切り
  • メリット:圧迫感がなく、風通し・採光を妨げない
  • デメリット:目隠し効果は低く、防犯性は限定的

1.2〜1.5mのフェンス

  • 主な用途:歩行者の視線をある程度遮る
  • メリット:プライバシーと開放感のバランスが取れる
  • デメリット:人の背より低いため、完全な目隠しにはならない

1.6〜1.8mのフェンス

  • 主な用途:目隠し・防犯
  • メリット:隣家や道路からの視線を遮り、生活空間のプライバシー確保に有効
  • デメリット:圧迫感が出やすく、風の影響を受けやすい

2.0m以上のフェンス

  • 主な用途:高い防犯性・完全な目隠し
  • 注意点:法規制で設置できないケースが多い。風圧による倒壊リスクも高まる。
  • 独立基礎タイプ+自治体規制の確認が必須

まとめ

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  • ブロック塀単体 … 最大2.2mまで(無補強は1.2m、超える場合は構造計算が必要)
  • ブロック塀+フェンス … 法律で明記はないが、実務上は合計2.2m以内が安全基準
  • 独立基礎フェンス … 法律上は制限なし。ただし景観条例・用途地域・建築確認などの規制がかかることがある(実務では2.0m前後が一般的)

高さ1.8m以上のフェンスを希望される場合は、ブロック塀の上に載せるよりも独立基礎タイプを検討するのが安全で現実的です。
台風や地震に備えた設計も考慮し、地域の専門業者に相談することをおすすめします。

目隠しフェンスをご希望の場合やお庭に関するご相談は、ぜひエクステリアデザイン神戸にお問い合わせください。

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