庭のデザインにこだわる方にとって、「割栗石(わりぐりいし)」は魅力的な素材の一つです。砂利よりも大きなサイズで、外構や庭づくりにおすすめのアイテムです。 ナチュラルでおしゃれな雰囲気を演出しつつ、機能性にも優れているため、エクステリアに取り入れる人が増えています。今回は、割栗石の特徴や使うメリット、施工例などについて分かりやすく紹介していきます。
割栗石とは?特徴と魅力について
割栗石とは、砕石の一種で、岩石を人工的に砕いて作られた石材のことを指します。不規則な形状が特徴で、サイズや色味もさまざまです。主に庭や外構の舗装材、装飾材として使用されます。
割栗石のサイズ
一般的に拳ほどのサイズ(約10~20cm)で、砂利より大きく、岩石より小さいので存在感がありエクステリアに人気の素材です。用途によって適したサイズを選ぶことが重要です。
割栗石の形状と素材
割栗石は角ばった形状が特徴で、自然の岩石を割って作られます。そのため、石同士がかみ合いやすく、安定性が高いです。
割栗石の魅力
自然な風合い
割栗石は天然石ならではのナチュラルな風合いを持ち、無機質なコンクリートや人工的なタイルとは異なる温かみのあるデザインを実現できます。和風・洋風どちらの庭にも馴染みやすく、景観に優れたアクセントを加えることができます。
耐久性が高い
割栗石は自然石をそのまま使用しているため非常に頑丈で、長期間の使用に耐えられます。風雨や紫外線による劣化の心配が少なく、年月が経つほど味わいが増すのも魅力の一つです。
排水性が良い
割栗石は不規則な形状をしているため、石と石の間に適度な隙間が生じ、雨水が地面に浸透しやすい構造になっています。そのため、水たまりができにくく、庭の水はけを良くする効果があります。
多用途に使える
割栗石は庭のアクセントとしての使用はもちろん、アプローチの舗装材、花壇の縁取り、排水路の整備など、さまざまな用途に対応可能です。使い方次第で、庭のデザイン性や機能性を向上させることができます。
環境にやさしい
割栗石は天然石を割って作るため、加工の必要が少なく、環境負荷を低減できます。人工的な建材と比べても自然の資源を活かしており、サステナブルな素材としても注目されています。
割栗石を使うメリット
おしゃれな雰囲気を演出できる
割栗石は不規則な形状と独特の質感があり、庭を自然な印象に仕上げます。モダンな庭やナチュラルガーデンなど幅広いデザインに適しています。また、ライトアップ時には陰影が生まれ、おしゃれな雰囲気を演出できます。
耐久性が高く、長持ちする
自然石なので、長期間風雨にさらされても劣化しにくいですが、長期間の振動や圧力によって割れたり崩れたりする可能性があります。適切な敷き方をすることが重要です。
地盤の安定性
割栗石は粒が大きく重いので、敷き詰めると互いにかみ合って動きにくくなります。そのため、斜面や傾斜地でも崩れにくく、地盤をしっかりと安定させることができます。
水はけが良い
割栗石は不規則な形状をしているため、石と石の間に隙間ができやすく、水がたまりにくい構造になっています。そのため、雨水が自然に地面へと浸透しやすく、蒸発しやすい特徴を持っています。これにより庭や外構全体の水はけが改善されます。
雑草対策になる
割栗石を敷き詰めることで雑草が生えにくくなります。さらに、防草シートと組み合わせれば、より効果的な雑草対策が可能です。
コストパフォーマンスが良い
砂利よりは少し高価ですが、コンクリートなどと比べると低コストで利用できることもあります。これは形状を細かく整える必要がないため、加工費が抑えられることが理由です。耐久性が高く、部分的に使うことでお値段も抑えられるのでうまく活用しましょう。
割栗石を使う際の注意点・デメリット
施工時に手間がかかる
割栗石は比較的大きいため、敷く際には適切な配置を考える必要があります。特に、安定した地盤を作るためには整地作業が重要です。
歩行スペースには不向き
ゴツゴツした表面のため、人の歩行や、車の通行がある場所には適していません。歩行エリアでは粒の小さい砕石砂利や別の素材を使うことがおすすめです。
形や色味・サイズにムラがある
天然素材ゆえに色や形状にばらつきがあります。このランダム感をデザインとして生かすことがポイントです。
振動や圧力による崩れ
長期間の使用や振動によって、割栗石が崩れたり、変形したりすることがあります。適切な厚みを確保し、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。
割栗石を取り入れたおしゃれな庭のデザイン例
割栗石は多彩なデザインに対応できる素材です。庭のスタイルや用途に合わせて取り入れることで、機能性と美観を兼ね備えた空間を創出することが可能です。
モダンなエントランスに映える割栗石のアプローチ
玄関までのアプローチのサイドに割栗石を敷き詰め、直線的なデザインでモダンな印象を演出しています。割栗石にはライトを設置して、夜も明るいアプローチに。アッパーライトが映し出すシンボルツリーも美しい。
シックでモダンなアプローチ
足元には自然石の割栗石を敷いてナチュラルな雰囲気に仕上がりました。木目調のオシャレな門柱、アクセントとしてポールを建てて一体感のある仕様にしました。シンボルツリーもポイントです。
門柱を彩る割栗石とシンボルツリー
門柱の前と後ろには割栗石とシンボルツリーを配置し、毎日の出入りに彩を演出してくれます。道路側には低めのシンボルツリー、建物側には大きめのシンボルツリーを植え、高さの変化をつけてデザインしています。
植栽との調和が美しいファサード
割栗石に、フレームや門柱、植栽、デザイン格子、それぞれを適度に空間をとって配置することで抜け感のあるデザインに。高級感のあるエントランスを実現した施工事例です。
駐車スペースのアクセントとしての割栗石
駐車場の周囲に割栗石を配置し、無機質になりがちなスペースに自然なアクセントを加えています。石の配置により、排水性の向上とデザイン性の両方を実現しています。
番外編:割栗石を活用したガビオン
割栗石の活用例の一つとしてガビオンをご紹介します。
ガビオンとは日本で古くから「蛇篭(じゃかご)」と呼ばれ、河川など土木工事の土留めや防護壁などに使用されてきましたが、近年では住宅や商業施設の外構デザインとして注目を集めています。
うまくお庭に取り入れることができれば周囲から一目置かれる存在感があります。
ガビオンの魅力
- 多用途性:ガビオンは門柱、フェンス、ベンチ、花壇など多様な用途で活用できます。
- おしゃれなデザイン性:石の色や形、大きさを変えることで、シンプルからモダンまで幅広いデザインが可能です。
ガビオンのデメリット
自然石の魅力がたっぷり詰まったガビオンですが、いくつか注意点があります。
- 手間とコスト:石の運搬や詰め込み作業には多くの時間と労力が必要です。石は綺麗に見えるように職人がひとつひとつ丁寧に詰め込むため、とても手間のかかる工事になります。また、大量の石材が必要になるためコストがかさむ場合があります。
- 安全対策の必要性:高さのあるガビオンは倒壊リスクがあるため、基礎や補強をしっかりとすることが重要です。
割栗石を使ったワンランク上の外構にしませんか?
割栗石は、その耐久性や機能性だけでなく、おしゃれなデザイン性も兼ね備えた素材です。地盤安定や水はけ改善といった実用面だけでなく、美しい庭づくりにも役立ちます。お庭の一部やアプローチの脇など、少しのスペースに入れるだけでおしゃれになるので、自宅の外構デザインにぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
エクステリアデザイン神戸では、打ち合わせSTUDIOにさまざまな色の石材サンプルをご用意しておりますので、それぞれのお家に合った石をお選びいただけます。
割栗石をお庭に取り入れたいとご希望の場合やお庭に関するご相談は、ぜひエクステリアデザイン神戸にお問い合わせください。